コラム

それは子供達のためになってるの?

コーチというとどういうイメージを持ちますか?
コーチとはどんな役割を持っているでしょうか?

子供を指導する中でコーチは大きな責任を伴います。
スポーツのスキルを上達させたり、運動経験を補うだけでなく、心の成長をサポートし、
心身ともに影響を大きく及ぼします。

コーチとは馬車で目的地に向かうという語源からきている。
とコーチングの勉強をしている時に教わりました。

指導者の一生懸命。
とても理解出来るのですが、一番は自己満足になってはいけないと思うのです。
やはり勉強しないといけないと思います。当たり前のことですけどね。

コーチの『もっと強く、もっと早く、もっと、、』という強い想いは
子供達の心身の成長を阻害している可能性もあります。

昔はこうだから。こうしてきたから。
というプライドや無知、勉強不足が導く怪我や故障、、
挙げ句の果て、そのスポーツ自体を嫌いになってしまうという最悪の事態、、
また、子供の頃の怪我は何度も引き起こすと言います。

キッズ、ジュニア時代は心身共に色んな意味で大切な時期なのです。


聞こえの良い建前だけ立派なものもありますが
『ほんとにそれは子供達のためになっているのか?』
というのを今一度考えないといけないと思っています。
こういうことを書くたびに自分はどうかな?と身の引き締まる思いがします。

近年、子供の平均的な運動能力は低下していると言います。
これまでは生活と運動体験が一体だったのですが、
便利な世の中になったこと、
身体を動かす、場所、時間がなくなっていることなどが原因で、
特定のスキルは上がっていますが、体力、筋力は下がっている子が多いです。
『低下』というか『偏り』ですね。
まずは『基本的な体力』が最も必要です。

1番の原因は遊びをやっていない。
そして、スポーツをやりすぎているのもあります。

こういうことを話すと、
『いやスポーツさせておけば大丈夫でしょ。考えすぎでしょ。』
なんてさっきの建前だけ立派な方達は言います、、

ニーナ・シモン。かわいい動画

子供は可塑性のかたまりです。
変化を加えた五感を刺激するような多くの環境、動きによって身体を成長させていきます。
身体の適応を促すことが大切です。

自由な時間と空間があれば運動能力は上がる。

空間、時間、仲間この3つの間があれば子供たちが運動、遊びが出来ます。
遊びの中にいろんな運動が潜んでいます。

何度も言ってますが公園最強です笑

例えば
鬼ごっこ。間合いやどっちに逃げれば良い。など対人戦術の感覚を身につけることが出来ますし、タッチさえないように身体を捻らせながら逃げる動き
など教えられるものではありません。

極力放っておく

というのも大事なのではないでしょうか。

七田式教育で有名な教育研究者七田厚さんが
『子供が主体的に勉強に取り組むにどうしたらよいのか?』
の問いにこう答えていました。
『極端に言えば「放っておくこと」なのかなというのが、子育ての大半が終わった今、思うことです。
ただ、幼児期と小学校に上がって以降では、接し方は変わっていい。
幼児期は親が主体で、子供に学ばせる方がいいと思いますが、小学校に上がってからは子供の自主性に任せるのがいいと思います。』


なるほどです。
ある有名な大学チームのコーチ(テニスではない)をしていた方とお話しした時もそう答えてました。
『放っておけば自分達でやるんですよ』

僕自身、現在週に二回ほど子供のテニスレッスンをしていまして、
僕もなるべく放っておきます。(もちろん放っておき方もありますが)
ルールだけを決めて(例えば、ここからは入ってきちゃダメ、道具は置いて、など)
怪我だけしないように見守っています。
あとは、何かトレーニンググッズみたいなものを持って行って
『待ってる間はどうぞこれで遊んでて良いよ。』
というと楽しそうに自分達でやり出します。
飽きたらやらないし笑

もちろん、コーチと選手(子供)が共通の目的や目標があれば、
例えば、今どうしても勝ちたい。上手くなりたい。みんなで全国大会に行きたい
などあればそうはいかないかもしれません。

コーチの意思が明確で共通の認識があれば良いかもしれません。

ただ、現状を把握し、子供達を理解しようとすること。
自分の経験だけで、何かを観てそのやり方だけを真似ても何の意味もありません。
『どうしたいのか。何がしたいのか』
というビジョンや目的が指導者には求められますよね。

まずは自分自身を振り返ることが必要ですよね。

自分の態度はどうだろう?
人に何かを教わる時、
誰かと接している時、
レッスンをしている時、
試合をしている時


挨拶もそうですね。
自分はちゃんとできてるだろうか?

子供達はちゃんと見ていて、コーチから学ぶことは技術面だけではありません。僕の場合はコーチの前に一人の親でもあります。
人間的には、まだまだしょうもないところたくさんありますが、、
当たり前のことはきちんと出来るよう、良い見本になれるよう心がけます。